2月13日実施 スペシャルティーチインイベントレポート

現在公開中の『破門 ふたりのヤクビョーガミ』について、今だからこそ聞きたいことをスタッフ、キャストにもっと語っていただこうということで2日連続開催が決定したスペシャルティーチインイベント。1日目となる本日は、小林聖太郎監督と、滝沢組の組員・牧内を演じた佐藤佐吉さんに登場頂きました!
当日は、佐々木蔵之介さんからのメッセージも上映され、和やかな雰囲気の中イベントは行われました。

秋田プロデューサー:本日は、撮影の裏話なども伺いたいのですが、そもそも牧内役の佐藤佐吉さん、原作者の黒川博行先生がスカパー版の「破門」のドラマをご覧になり「佐藤佐吉という役者はヤクザをよく知っている。一人だけ芝居が違う」と仰られたいうエピソードがありキャスティングさせていただいた経緯があったりもしたんですが、そのあたりのお話など含め、お伺いしたいと思います。

小林監督:佐藤さんには同じ黒川先生原作のWOWOWのドラマ「煙霞-Gold Rush-」にも出ていただいて。

佐藤さん:役柄は全然ちがうんですけど、同じような役で。

小林監督:木下ほうかさんの子分っていうのと、「殺すぞ、おらぁ」みたいな台詞が同じというか。衣装合わせの時に初めて「既視感あるけど大丈夫ですか」って言われて(笑)

佐藤さん:でも、まさかのほうかさんと3度目ですからね。

小林監督:そうですね、ほうかさんと中村ゆりちゃんと、佐吉さんが、スカパー版の「破門」と「煙霞-Gold Rush-」と、今回の『破門 ふたりのヤクビョーガミ』と3本出ている。黒川作品といえば、という感じに。

佐藤さん:僕もここまで言っていただいて非常に光栄なんですけど、普段監督とか脚本の仕事をメインにやってまして。役者慣れしてないというか。それで初めて黒川さんとお会いしたときに、自分で言うのも非常に恥ずかしいんですけど、「佐吉さん、僕佐吉さんのファンです」って言っていただいて、その言葉だけでしばらく飯食える気分でした。なので、また黒川先生の作品を撮られる際には呼んでください。

Q:玲美の部屋で乱闘するシーンで気になることが2つあって、狭めのセットなので、アクションが大変じゃなかったかなというのと、(滝沢組の組員を演じた)勝矢さんがガムをはくシーンがあると思うのですが、それがアドリブだったのか教えてください。

小林監督:1つめの質問。まあ狭い部屋なんですけど、カメラの後ろにはスペースが必要、しかもカメラのすぐ手前は映らないので、6帖くらいの部屋に入ると1帖半くらいしか撮れないんです。なので、4間くらいある部屋を使って、押し入れを壁に見立てて。さらに食器棚の後ろは実はもっとスペースがあって、普通のマンションなんですけど、狭めに見せて撮ってるんです。

佐藤さん:あれが初日の撮影だったんですよね。独特の緊張感でした。僕もめったにやらないんですけど、あのシーンはアクション練習をけっこうさせられました。部屋は狭いんで「こんな感じです」ってテープ貼って、この範囲で動いてくださいみたいなのやりましたね。

小林監督:そんな工夫をしました。2つ目はアドリブの定義にもよるんですけど、はじめ“段取り”って、カメラを持たずにこの台本のこのシーンをやってみましょうってやるんです。人によると思うんですけど、僕はわりと役者さんが考えてこられたことをやってもらって、そこから考えていくので

佐藤さん:勝矢さんがあのときガムはいたの気づいていらっしゃいました?

小林監督:ええ、テストの早めのときからやられてたと思うんですよ。それについて特に違和感ないし、良いと思ったんで勝矢さんのアイデアを頂きました。
 

Q二宮の事務所にインコの写真が貼ってあったんですけど、原作にマキちゃんというインコが出てくるのですが、映画ではどういう設定だったのかなと。

小林監督:原作にはインコが出てくるんですよね。迷って結局、使うのはやめようって決めたんです。鳥は思い通りに動いてくれなかったりするので。そしたら装飾部が、「写真くらい貼っておきましょうか?」ということで、良いんじゃない、と。絶対あそこにマキちゃんの写真を貼りたいと思っていたわけではないんですけどね。

佐藤さん:部屋での二宮くんの行動がすごい好きなんですけど、爪切ったら匂いを嗅いだり、やたらしつこく嗅いでるじゃないですか。あれは監督の趣味ですか?

小林監督:相当な暇を持て余している人が何をしたら最悪かなと思ったんです。いしいひさいちさんっていう漫画家が大好きで「バイトくん」に出てきそうな子をイメージしました。横山君とも相談して、イメージを出し合って二宮を作ったんです。

Q今治での乱闘シーン、すごい広い感じがしたんですけど、みなさんは本当に広いところを走り回っていたんでしょうか?

小林監督:場所が多少違うんですが、設定としては真鍋荘があって、初見たちが隠れていた小屋があり、その裏に行ったら漁港に行くという、四角形のような場所を想定していました。

佐藤さん:ちょうどそのシーンの最後のほうで、僕ちょっと足の裏が痛かったんですよ。でも最後にものすごい走らされたじゃないですか、何回も何回も。

小林:あのとき蔵之介さんも足をつりかけてました。

佐藤さん:最後の方になって、カメラマンさんが「佐吉さん、なんでそんなに足遅いの」って(笑)痛いって言えないから「ちょっと遅くて」って言ったら、「もうちょっと早く走れるはず」って言われるから、仕方ないから映ってないんですけど思いっきり手振って走りました。それからしばらくして場所を移して、そこでもだいぶ走ったんですけど…。

小林監督:1週間後くらいにまたね。

佐藤さん:そこでほうかさんと「ほうかさん、また今日も走らなきゃいけないんですね」って言ったら、「うちらはもうええ」って言うんです。「もう50はええねん」って(笑)

小林監督:映画だと永遠走られますけど、普通の人そんなに走れないですからね。疲れて走ってるのもいいと思うんですけどね。

佐藤さん:ヒィヒィいいながら走ってましたよ(笑)

小林監督:殺陣師の人が二家本さんっていう方なんですけど、ツイッターやっている方、僕のツイート見てもらったら写真もあるんですけど。佐吉さんと二家本さん、背格好も髪型も全く一緒で、本当に後ろからみると「あれ、佐吉さん今日休みじゃなかったっけ」というくらい。

佐藤さん:顔見えないなら二家本さんがやってくれればいいのにって(笑)

Q泡風呂のシーンで、二宮が体を洗っているのは下着ではなくて水着だと聞いたんですけど、とても地味な感じがしたんですけど、あれは監督のご趣味なんでしょうか?

小林監督:あの水着、選んだ気はしますけど白い水着なんです。地味でしたかね、ちょっとベージュっぽく見えますよね。

佐藤さん:あれ何で水着なんですか?

小林監督:風呂場で下着干しているのは変かなと思って。

秋田プロデューサー:原作を読んでる方は分かりやすいと思うのですが、あのシーン、服を洗っているの分かりましたかね?

小林監督:手の動きとかで分かるかなと思っているんですけど。あのシーン、横山君が何やるかなと思ってしばらく長回しをしてたんですけど、本人も分かるのかな?と思ったらしく、しばらく「よう取れるわ汚れ」って。とてもありがたかったんですけど、そんな一人で風呂入ってるやつが汚れ取れるとは言わないやろと思って編集では切ったんです。

Q原作や映画で好きなシーンを教えてください。

佐藤さん:好きなシーンというか、ハッと思ったことが現場であって。ほうかさんと話しているときに、初見が刑事に金渡すシーンの話をしていて、「えっ」ってほうかさん「俺刑事に金なんか渡してへんで?」って。いやいや、渡してますやん、「え!あれ刑事やったん?」って(笑)

小林監督:あの人台本読んでるんですかね(笑)

佐藤さん:ヤクザに金渡しただけやと思ってましたからね。

小林監督:あの船のシーン、船を貸し切れなくて、普通の人が乗っているところで「すんません、映りたくない人はこっち行ってください!」って言って、15分くらいで渡し船乗っている人たちと一緒に撮ったんです。僕は原作で好きなシーンを。大乱闘中に、原作で二宮が自分だけ逃げて、うどん屋に入ってうどん食ってたら「助けに来んかい」って電話が入るんですけど、「はい」って言いながらうどん最後まで食うっていう、ひどい緩いシーンが面白いなと思いましたね。映画では使わなかったんですけど、原作の好きなシーンです。